就職サイトを開くと、「1day 仕事体験」「5days インターンシップ」「オープン・カンパニー」が同じように並んでいる。どれも締め切りが近くて、出ないと置いていかれる気がする。インターンの選び方で迷うのは、名前が似ているのに中身がまったく違うものが混ざっているからです。

先に書いておくと、選考につながるインターンは一部だけで、出なかった会社の本選考も受けられます。だから、「選考に有利かどうか」より「何を確かめに行くか」で選ぶほうが迷いません。そして、選考につながる 5 日以上のものは数が限られるので、本命の会社の職場を見極める場として使うのがいちばん得です。

インターンシップの種類とは。4 つのうち、インターンシップと呼べるのは 2 つだけ

国の考え方では、学生が働くことを考えるための会社や大学の取り組みを 4 つの種類に分けていて、インターンシップと呼べるのはそのうちタイプ 3 とタイプ 4 だけです[1]。経団連と大学の代表でつくる産学協議会が 2022 年に整理し、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意文書に入りました。

インターンシップの定義は、「自らがその仕事で通用するかどうか」を見極めるために、会社の実務を経験すること、です[1]。話を聞くだけのものは、楽しくてもインターンシップではありません。

学生のキャリア形成支援の 4 つの種類(3 省合意と産学協議会の報告書から編集部が作成)
種類何をするか期間職場で働く体験選考に使われるか
タイプ 1 オープン・カンパニー会社・業界の説明、社員への質問会、職場見学1 日(単日)基本的に無い使われない
タイプ 2 キャリア教育大学の授業や、企業が社会貢献として行う教育プログラム学年を問わないあることもある使われない
タイプ 3 汎用的能力・専門活用型インターンシップ職場で社員の指導を受けながら実務を経験する5 日以上(専門活用型は 2 週間以上)必ずある条件を満たせば、3 月以降に使われうる
タイプ 4 高度専門型インターンシップ(試行)博士課程の研究インターンシップなど、専門性の高い実務プログラムによる必ずある3 月以降に使われうる

表のもとは 3 省合意と産学協議会の報告書です[1][2]。学部生がふだん目にするのはタイプ 1 とタイプ 3 で、「1day インターン」と呼ばれているものの多くはオープン・カンパニーにあたります。もう 1 つ、2〜3 日の「仕事体験」のように、職場で働く体験はあってもタイプ 3 の条件に届かないものもあります。

選考につながるのは「5 日以上・職場で働く」もので、使われるのは 3 月以降

会社がインターンシップで得たあなたの情報を採用に使えるのは、次の条件をすべて満たすタイプ 3 だけです[1]。

  • 期間の半分を超える日数を、職場での就業体験に充てる
  • 職場の社員が指導し、終わったあとにフィードバックをする
  • 5 日間以上(専門活用型は 2 週間以上)
  • 学部 3・4 年か修士 1・2 年の長期休暇(夏・冬・春休みなど)に行う
  • 募集要項に、プログラムの目的や内容などを書いて公表する

見分けるときにいちばん分かりやすいのは、最後の募集要項です。条件を満たすタイプ 3 の募集要項には、「採用活動開始以降に限り、インターンシップを通じて取得した学生情報を活用する旨」を書くことになっています[1]。日数が 5 日以上あるか、そのうち何日を職場で過ごすか、この 1 文があるか。この 3 つを見れば、選考につながるかどうかがほぼ分かります。

情報が使われる時期も決まっています。28卒なら、2027 年 3 月 1 日以降に説明会の案内などの広報に、6 月 1 日以降に選考に使われます[1][3]。使い方の例として産学協議会が挙げているのは、エントリーの案内を送ること、選考の一部を省くことです[2]。春休み以降に行う 2 週間以上の専門活用型に限り、6 月より前に選考へ進める例外があります[3]。

反対に、オープン・カンパニーとキャリア教育で会社が得た情報は、採用に使えません[2]。ただし、エントリーシートに自分で「A 社のオープン・カンパニーに参加した」と書けば、それはほかの書類と同じように読まれます[1]。

そして大事な前提が 2 つあります。インターンシップは採用活動ではなく、その会社のインターンシップに出ていなくても本選考にエントリーできます。終わったときに内々定を出すことも想定されていません[2]。出られなかった会社をあきらめる必要はありません。日程の全体は28卒の就活スケジュールの記事にまとめています。

先輩の 27卒で、5 日以上のインターンシップに出た人は 27.7%

周りがみんな 5days に出ているように見えても、実際はそうではありません。2025 年 10 月に 27卒の大学 3 年生・修士 1 年生 1,396 人に聞いた調査では、何かに参加した人は 87.1% いましたが、5 日間以上のインターンシップに出た人は 27.7% でした[5]。

オープン・カンパニー・キャリア教育など 71.8% 仕事体験(短い就業体験) 57.0% インターンシップ(5 日間以上) 27.7% どれにも参加していない 12.9% 27卒の大学 3 年生・修士 1 年生、2025 年 10 月時点(複数回答、n=1,396)
27卒が 3 年生の 10 月までに出たのは、オープン・カンパニーなどが最多。5 日間以上のインターンシップは 3 割弱(マイナビ キャリアリサーチLab 2025[5])
数値を表で見る
参加したプログラム割合
オープン・カンパニー&キャリア教育等71.8%
仕事体験57.0%
インターンシップ(5 日間以上のプログラム)27.7%
これらの活動には参加していない12.9%

会社の側から見ても、5 日以上のプログラムは多くありません。28卒向けに実施を予定している会社は、オープン・カンパニーが 48.5% だったのに対し、タイプ 3 のインターンシップは 18.5% でした(2025 年 11 月、1,282 社)[7]。タイプ 3・4 の実施で苦労している点として「受け入れ人数に限界がある」を挙げた会社も 36.6% あり[7]、5 日以上のものを何社も回るのは、授業との両立を考えても現実的ではありません。

28卒の 4 月の調査では、これから参加したい社数の平均は 7.9 社で、10 社以上と答えた人が 34.4% いました。応募先を探すときの困りごとの 1 位は「自分に合う業界・企業がわからない」の 45.7% です[6]。合う会社が分からないまま数を増やしても、分からないままです。数より、何を確かめに行くかを先に決めてください。

インターンの選び方は、確かめたいことから逆にたどる

いま自分が確かめたいことは何か。そこから種類を選ぶと、出るものが自然に絞れます。

確かめたいことと、向いているプログラム(編集部の考え)
確かめたいこと向いているもの選ぶときに見る欄
どんな業界・会社があるか知りたいオープン・カンパニー、オンラインの説明会平日の夕方や週末、オンラインで出られるか。何社かまとめて見られるか
その仕事が自分に合うか試したい2〜3 日の仕事体験、5 日以上のインターンシップ「就業体験の内容」に、何の仕事をどこまでやるかが具体的に書いてあるか
本命の会社の職場と人を見たい5 日以上のタイプ 3受け入れる職場の情報、職場で過ごす日数、フィードバックの有無

まだ志望が決まっていない時期は、1 行目のものを広く使い、気になった業界や会社ができたら 2 行目、3 行目へ進む。私たちは、5 日以上のものは本命に近い 1〜3 社に絞るのがよいと考えています。冬や春休みに開く会社も多く、27卒向けには 12 月に 58.8%、2 月にも 52.3% の会社が実施していました[7]。夏に出られなかった人も、ここから選べます。

職場を見極めるなら、5 日間で「だれが・何を・どこまで」を見る

5 日以上のインターンシップは、入社前に職場の中に長くいられる数少ない機会です。説明会では見えない、ふだんの働き方が見えます。ただ、何を見るかを決めずに行くと、「雰囲気がよかった」という感想だけで終わります。次のメモを持って行ってください。

【インターンシップで職場を見るメモ(5 日間)】

だれが
・指導してくれるのは、現場の社員か、人事の人か
・指導役の人は、自分の仕事と指導をどう両立しているか
・困ったとき、周りの人に聞きやすい空気があるか

何を
・任された仕事は、社員の仕事のどの部分か
・社員は 1 日のうち、何にいちばん時間を使っているか
・入社 1〜3 年目の人は、どんな仕事をしているか

どこまで
・社員は何時ごろに帰っているか(定時に帰る人はいるか)
・昼休みは取れているか
・最終日のフィードバックは、具体的な場面をもとにした言葉だったか

終わったら書くこと
・入社前に聞いていた話と違ったこと
・本選考の面接で確かめたいこと

フィードバックは、指導した社員が良かった点やこれから身につけるとよい点を言葉で伝えるもので、点数や合否を伝える場ではありません[2]。具体的な場面をもとに話してくれたなら、その職場は新人の仕事をよく見ている、という手がかりになります。

確かめきれなかったことは、本選考の面接やカジュアル面談で聞けます。聞き方は職場の実態が分かる逆質問の例に、見学や面談で雰囲気を見る方法は職場の雰囲気を入社前に知る方法にまとめました。

5 日間を使う会社を選ぶ前に、働く人の声を動画で先に見ておくと、候補を絞りやすくなります。動画で就職では、「どんな人が働いてる?」「1 日の流れは?」のような知りたいことから、働く人が答えている場面を探して、その場面から再生できます。たとえば職場の人と雰囲気について答えている場面を何社か見比べてから、5 日間で確かめたい会社を選ぶ、という使い方ができます。

社員と同じ仕事を無給でさせられたり、嫌な思いをしたりしたら

インターンシップの就業体験は無給が基本ですが、社員と同じ仕事・同じ働き方をしているなら話は変わります。その場合は労働関係の法律が適用され、会社は雇用契約を結んで給料を払う必要があります[1][2]。毎日遅くまで残される、社員と同じ量のノルマがある、といった様子なら、それは就業体験の範囲を超えています。

ハラスメントも、残念ながら珍しい話ではありません。厚生労働省の 2023 年度の調査では、インターンシップ中にセクシュアルハラスメントを経験したと答えた人が 30.1% いました[8]。2026 年 10 月 1 日からは、就職活動中の人などへのセクシュアルハラスメントを防ぐ措置が、すべての会社の義務になっています[4]。

おかしいと思ったら

その場で無理に我慢せず、まず大学のキャリアセンターに話してください。国の考え方でも、大学はインターンシップに積極的に関わることになっています[1]。働き方や嫌がらせについては、全国の労働局や労働基準監督署など 378 か所にある「総合労働相談コーナー」に、無料・予約なしで相談できます[9]。

会社の側がインターンシップをどんな決まりで作っているかは、姉妹サイトの企業がインターンシップを企画するときの手引きに書いています。募集要項の 9 つの項目や、最終日のフィードバックで会社が何を伝えるつもりでいるかを知っておくと、募集要項の読み方が変わります。